壜、もしくは/ 2005-2007
吹きガラスは器を作る技法である。吹きガラスで作品を作る限り、それは何かの観念や対象の表現である前にガラスであり容れ物である。そんな冷めた見方が自分にはありました。
明らかにガラスという材料は、鉛筆や絵の具よりも扱いづらく、質感や現象が強い上に、技法の制約もあって私の未熟な技術では表現媒体として万能とは言えない。
だからガラスの側に立って、ガラスを通して物事を観る事にしました。吹きガラスで制作することに必然性を求めての事でもありましたが、古陶磁や土器、漆器などの器物を観れば観る程、興味は深まりました。
壜をたくさん作ったのは、その隠喩性や物語を連想させる雰囲気のようなものに興味を持ったからです。
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